課題
産業機械を製造・販売されている同社は、長年にわたり既存顧客からのリピートと紹介を中心に売上を築いてこられました。安定した基盤がある一方で、新規開拓は特定のベテラン営業担当1名に依存している状態が続いていました。
ご相談をいただいた時点で、次の3点が具体的な課題として挙がっていました。
- 新規商談の約8割が1名の担当者から生まれており、再現性がない
- 誰にアプローチすべきかの基準が言語化されておらず、他のメンバーが動けない
- 訪問と見積作成に時間が取られ、新規開拓に充てる時間が確保できない
「人を増やせば解決する」と考えて増員を検討されていましたが、教える側の基準が定まっていないため、採用しても立ち上がらない可能性が高い状況でした。
Apprateの支援
まず着手したのは、増員ではなくターゲットの再定義です。
受注実績からターゲットを再設計する
過去3年分の受注・失注データをお預かりし、業種・企業規模・導入設備・検討のきっかけの4軸で分解しました。その結果、受注率が明確に高いのは「従業員100〜300名規模で、既存設備が10年以上経過している食品加工業」であることが分かりました。ベテラン担当者が無意識に選んでいた条件が、ここで初めて言語化されました。
BDR(新規開拓型インサイドセールス)を立ち上げる
定義したターゲットに対し、Apprateが架電とメールによるアプローチを担当しました。訪問はお客様の営業担当が行い、商談化までをApprateが担う分業体制です。
| 担当範囲 | Apprate | お客様 |
|---|---|---|
| リスト作成・精査 | ● | |
| 初期アプローチ | ● | |
| 商談化・日程調整 | ● | |
| 商談・提案 | ● | |
| 見積・クロージング | ● |
「まず商談の入口だけを切り出して任せる」という設計にしたことで、既存の営業活動を止めずに新規開拓を並走させることができました。
週次で基準を更新する
架電の反応をもとに、毎週トークと訪問先の優先順位を見直しました。3か月目には「設備の更新時期が近い」よりも「品質検査工程に人手をかけている」という条件のほうが商談化率が高いことが判明し、リストの抽出条件を入れ替えています。
成果
支援開始から6か月時点で、次の変化が生まれました。
- 月間商談数が支援前の3.2倍に増加
- 新規商談のうちベテラン担当者経由の割合が8割から3割へ低下
- ターゲットを絞り込んだ結果、平均受注単価が1.4倍に上昇
数値以上に大きかったのは、「どの企業にアプローチすべきか」が社内の共通言語になったことです。現在は若手の営業担当が同じ基準で新規開拓を進められる状態になり、増員の議論も現実的な計画として動き始めています。
なお、本事例はお客様のご意向により企業名を非公開としています。同業種での支援可否については個別にご相談ください。

