BDRとSDRの違い
インサイドセールスを分業する際、よく使われるのが BDR と SDR という区分です。
| BDR | SDR | |
|---|---|---|
| 正式名称 | Business Development Representative | Sales Development Representative |
| 起点 | 自社から仕掛ける(アウトバウンド) | 見込み客からの反響(インバウンド) |
| 主な対象 | まだ自社を知らない企業 | 資料請求・問い合わせをした企業 |
| 主な手段 | 架電、手紙、メール、SNS | メール、架電、フォロー面談 |
| 向いている商材 | 単価が高く、対象企業を絞れるもの | 認知があり、検討が自発的に始まるもの |
| 成果が出るまで | 3〜6か月 | 1〜2か月 |
ひとことで言えば、BDRは「狙って会いに行く」、SDRは「来た相手を逃さない」 役割です。同じ「インサイドセールス」という名前で呼ばれますが、必要なスキルも評価指標もかなり異なります。
なぜ分けるのか
分業する理由は、両者を1人が兼任すると必ずSDR業務が優先されてしまうためです。
問い合わせ対応には明確な期限があり、放置すれば失注に直結します。一方でBDRの架電は、今日やらなくても今日の損失は目に見えません。結果として、兼任体制ではアウトバウンドの活動量が構造的に削られていきます。
これは担当者の意欲の問題ではなく、役割設計の問題です。だからこそ、活動を分けるという判断が必要になります。
どちらから着手すべきか
自社がどちらを優先すべきかは、次の観点で判断できます。
SDRから着手すべきケース
- 月に10件以上の問い合わせ・資料請求がある
- 問い合わせから初回接触までに1営業日以上かかっている
- 「検討中」で止まったまま追えていないリードが溜まっている
すでに反響がある状態で対応が追いついていないなら、まずSDRです。獲得済みのリードを取りこぼさないほうが、新規に接点をつくるより明らかに費用対効果が高くなります。
BDRから着手すべきケース
- 問い合わせが月に数件しかない
- 受注したい企業の顔ぶれが具体的に決まっている
- 商材の単価が高く、1件の受注インパクトが大きい
反響そのものが少ない、あるいは「本当に取りたい企業」が反響として現れてこない場合は、BDRの出番です。
BDRを立ち上げるときの3つの注意点
1. ターゲットを絞りきる
BDRの成否は、リストの精度でほぼ決まります。「従業員100名以上の製造業」程度の粒度では広すぎます。過去の受注データを分解し、受注率が高い条件を具体的な言葉にしてください。
2. 最初の3か月は商談数で評価しない
BDRは立ち上がりに時間がかかります。初期に商談数だけで評価すると、取りやすい相手に流れ、結果的にターゲットがぼやけます。最初の3か月は「狙ったセグメントに何件接触できたか」を指標に置くほうが健全です。
3. 商談化の基準を営業と揃える
BDRが渡した商談を営業が「これは商談ではない」と判断する状態は、最も多い失敗パターンです。着手前に、何をもって商談とみなすかを両者で文章にして合意しておいてください。
まとめ
- BDRは自社から狙ってつくる新規開拓型、SDRは反響対応型
- 兼任するとSDR業務が優先され、アウトバウンドは必ず後回しになる
- 反響が既にあるならSDR、取りたい企業が明確ならBDRから
- BDRはターゲットの絞り込みと、商談定義の事前合意が成否を分ける
自社の状況ではどちらから着手すべきか判断がつかない場合も、現状の数字をお伺いしたうえでご提案します。

